コラム2016

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民族学者の加藤九祚さん死去 ウズベキスタンで調査中   <朝日新聞  2016年9月13日>
16/09 #16-04

国立民族学博物館(大阪府吹田市)名誉教授で民族・考古学者の加藤九祚(かとう・きゅうぞう)さんが日本時間の12日未明、調査のために訪れていたウズベキスタン南部・テルメズの病院で死去した。94歳だった。葬儀の日取りは未定。
 1922年、現在の韓国慶尚北道生まれ。陸軍士官として中国東北部で終戦を迎え、5年間のシベリア抑留を経験した。その際に身につけたロシア語を生かし、国立民族学博物館の創設期メンバーとして活躍。旧ソ連の一部だった中央アジアの民族学、歴史学などの紹介に努めた。相愛大教授、創価大教授も歴任。65歳から考古学に取り組み、シルクロード上にあるウズベキスタン南部で仏教遺跡の発掘調査を進めてきた。
 立正大によると、今月3日に大学の学術調査隊顧問として現地入りしたが、体調を崩し、7日から入院していた。
 「天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯」で76年に大佛次郎賞、長年の幅広い研究で99年に南方熊楠賞を受賞。日本との友好交流への尽力が評価され、2002年にはウズベク友好勲章を受けた。主な著書に「シベリアに憑(つ)かれた人々」「シルクロードの古代都市 アムダリヤ遺跡の旅」など。

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クマの楽園、極東観光の目玉 ロシア

クマの楽園、極東観光の目玉 ロシア    <朝日新聞  2016年9月7日>
16/09 #16-03

2頭の子を連れたヒグマの母親が湖畔に現れた。電気柵越しに、わずか5メートル先に立つ観光客が一斉にカメラのシャッターを押す。野生のクマたちに、人を怖がる様子はない。座り込むと、子グマを抱えて乳を飲ませ始めた。
 ロシア極東・カムチャツカ半島南部の自然保護区にあるクリル湖周辺には、約400頭のヒグマが生息する。基本的に単独で行動するクマを同時に20頭以上見られる時もある、世界でも珍しい地域だ。
 日ロ首脳会談でプーチン大統領が開発に意欲を示したロシア極東地域。目玉の一つが、雄大な自然が手つかずのまま残るカムチャツカ半島だ。ロシア政府は国際的なリゾート地にしようと、昨年8月に中心都市の一帯を観光特区に指定した。1980年代まで国民でも一般人は立ち入りが規制された地に、世界中から観光客が訪れ始めている。(カムチャツカ半島クリル湖=中川仁樹)

■ベニザケで赤く染まる湖にクマ

 湖の中が、赤く染まっているように見えた。
 カムチャツカは7種類のサケ属が見られる珍しい地域だ。特にクリル湖には大量のサケが上ってくる。
 産卵が近いベニザケは体が赤くなる。その群れが浅瀬に近づいていた。背びれが時折、水中から出るたび、バシャバシャと大きな音がする。
 ヒグマがサケを探して、湖をじっと見つめた。狙いを定めると一気に加速。豪快に水中に飛び込む。捕まえると、尻尾を上にしてかぶりつく。
 ログイン前の続き「ゴリ、ゴリ」と骨をかみ砕く音が湖畔に響く。
 特に卵(イクラ)は大好物だ。残りの身を捨ててしまうこともある。
 電気柵で囲われた居住区域を出る際には、銃を所持する保護官が同行する。アレクサンドル・バラフチンさん(21)から、クマを刺激しないよう注意された。
 「急に走らない」「クマの目をじっと見ない」
 ヒグマは巨体に似合わず、100メートルを約6秒で走る。木にも登れるので、逃げ切ることは不可能。「寝たふり」は、走って逃げるよりいいが、効果があるかはクマ次第だという。
 湖岸を、子連れの母グマが歩いてきた。子グマは私たちを見ると止まり、戻ってしまった。怖がっているようだ。何度も同じ場所を行き来する。バラフチンさんが「母グマがいらだっている」と口にした。
 親子が目の前を通る。距離は4メートルほど。心臓の鼓動が速くなる。母グマが立ち止まる。バラフチンさんが「立ち去れ」と叫んだ。
 再び動き出した母グマは通り過ぎていった。思わずほっと息をついた。
 湖から流れ出る川に着くと、ほとんど水が無い中をサケが懸命に上っていた。林の中から体重500キロはあるかという巨大なクマがゆっくりと近づき、簡単に捕まえて食べ始めた。
 「カサノバだ」とバラフチンさんが言った。特徴のあるクマには名前がつけられている。カサノバはこの地域で最も大きいオスだという。周囲には、卵のある腹だけを食べられたサケの身が散乱していた。

■観光客10年で10倍 自然保護との両立、課題

 カムチャツカ地方の中心都市、人口18万人のペトロパブロフスク・カムチャツキーからクリル湖への移動手段は、基本的にヘリだけだ。約2時間かかる。不便な地域だが、ヒグマ目当てに湖を訪れる人の数は、2007年の約290人から15年は約2700人に。10倍近く増えた。
 電気柵で囲われた約1万平方メートルの「居住区域」は湖周辺に2カ所ある。簡易ベッドが置ける大型テントは09年、水洗トイレが15年と整備が着実に進んでいる。14年にできた食堂では、温かいスープなど手作り料理を3食食べられた。
 現地で目立ったのは、欧州からの観光客だ。イタリアから訪れたフランチェスコ・マコガさんは「火山が多くあり、クマが間近で見られる。素晴らしい写真を撮れた」と喜んだ。
 ルーブル安を追い風に、カムチャツカ地方への観光客数は、14年の7万5千人から15年は15万人に、1年で倍増した。航空便や宿泊施設の不足に対応するため、ロシア政府は昨年8月、観光特区を指定。今後は官民合わせて360億ルーブル(約580億円)をかけ、空港や港湾、ホテル、温泉などの整備を進める。
 一方で、カムチャツカには多くの自然保護区がある。クマなどを狙う密猟の取り締まりなどにも力を入れており、森林動物保護局のウラジーミル・ゴルジエンコ局長は「対策費は過去8年で2倍に増えた。高性能カメラや巡回用車両などを導入した」と話す。ヒグマの生息数は、02年の約1万7千頭から16年は約2万3千頭に増えた。

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親子のヒグマ。撮影する観光客との間には電気柵がある。後方にはテントや食堂が並ぶ
=8月5日午後、ロシア極東クリル湖、矢木隆晴撮影
クマの楽園、極東観光の目玉 ロシア

第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタル行われる
16/09 #16-02

 9月7日(水)東京・日暮里サニーホールで第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタルが催された。出演は、昨年第1回ロシア声楽コンクールで第一位に輝いた諸田広美氏(メゾソプラノ)をはじめ、マキシム・クリコフ(バラライカ/ドムラ演奏、協会都連会員)ユリヤ・レブ(ピアノ伴奏)が顔を揃えた。
 諸田氏は、豊かな声量と表現力で、チャイコフスキー、ルビンシュテイン、ラフマニノフ、リムスキー=コルサコフなどによる名曲を披露、大きな拍手に包まれた。
 2部では、グリンカ、タネーエフ、さらにはロシア民謡を情感たっぷりに歌い上げた。マキシム・クリコフ氏の民族楽器演奏も見事で、解説も興味深く、参加者は身を乗り出して聴き入った。諸田氏は、声楽で一番歌に乗りやすい言語はイタリア語だが、ロシア語もそれに匹敵すると説明。会場のロシア人も大いに納得の表情であった。
 出演者の友人のオペラ歌手・平岡貴子氏、アンサンブル・ガルモーシカの仲間たち、ピアノのユリア氏の友人らも詰めかけ、リサイタルを大いに盛り上げてくれた。
 なお、群馬公演は10月12日(水)前橋市の上毛ホールで開かれる。こちらも見逃せない。(詳細は、主催者アトリエ・ガヴォーに照会のこと。)                 チラシ▼     

第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタル第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタル第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタル
第1回ロシア声楽コンクール優勝記念リサイタル

ガルモーシュカ 冬のコンサート 〜ロシアの宝箱〜 大成功を収める
16/01 #16-01

マクシム・クリコフ氏(都連城東支部会員)率いるロシア民族音楽&舞踊アンサンブル

「ガルモーシュカ」の冬のコンサートが1月9日(土)東京・両国シアターX(カイ)で行われた。おなじみのロシア民謡とオリジナルメドレー、コサックダンス、民俗ダンスなど観客を飽きさせないプログラムと息のあった演出が繰り広げられた。在日ロシア人ベラルーシ人などの来場者も多く、さらにセルゲイ・ラフマノフ駐日ベラルーシ大使自身からの花束贈呈のシーンもあり、昼の部、夜の部とも満杯の会場は真冬を吹き飛ばす熱気に包まれ、大成功を収めた。
 出演者は、マクシム・クリコフ(バラライカ)、アレクセイ・トカレフ(ボーカル・管楽器)、イリーナ・コルネワ(アコーディオン)、アンドレイ・オルロフ(民族舞踊)、ヴィクトリア・ポノマレンコ(民族舞踊)、ワレンチナ・パンチェンコ(ゲストシンガー)、ヴィクトリア・ラブロワ(司会)の面々で、それぞれが見事なエンターティナーぶりを発揮、来場者を魅了した。また、会場ロビーには民芸品、チョコレートなどの模擬店が並び大いに賑わいを見せた。
 このアンサンブルは2011年東日本大震災の年に結成され、「2014ワールドミュージック・フェスタin日本橋(東日本大震災復興支援コンサート、城東支部開催協力)」「ラ・フォルネ・オ・ジャポン2014」他の数多くのイベントにも積極的に参加、その知名度を日々大きくしている。日本国内で、しかも身近なところで活躍するアンサンブルにスポットあてていくのも友好団体の仕事であると今回、認識を新たにしたところである。
 「ガルモーシュカ」の演奏は港区麻布台のレストラン「ミンスクの台所」で定期ミニコンサートが行われている。店主ビクトリアさんは皆さまのお越しを心より待っています。とのこと。

ガルモーシュカ 冬のコンサート 〜ロシアの宝箱〜
ガルモーシュカ 冬のコンサート 〜ロシアの宝箱〜
ガルモーシュカ 冬のコンサート 〜ロシアの宝箱〜







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