抑留問題資料|第二次世界大戦と捕虜問題

抑留問題資料/第二次世界大戦と捕虜問題



第二次世界大戦と捕虜問題 1/5  |< << >> >|
【藤田 勇・東京大学名誉教授、現 日本ユーラシア協会名誉会長】


第二次世界大戦と捕虜問題(1)=『ユーラシア研究』No.8(95年7月号)

国連憲章全文は、「われらの一生のうち二度までも言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い・・・・・」という文言から始まっている。ここに書かれた「言語に絶する悲
哀」、「戦争の惨害」はさまざまな態様・性格をもっている。これらについてはおびただしい記録があり、多くのことが語られてきた。第二次世界大戦集結50周年の今年は、あらためて今日の観
点からそれらについての言及・考察が重ねられつつある。むろん、このような戦争を引き起こし、あるいは非人道的虐殺行為等に直接かかわったものの責任の問題、戦争犯罪の問題もなお問
われ続けている。
けれども、この「悲哀」、「惨害」のうちに捕虜・被抑留者の問題がある含まれていることは、かならずしも常に意識されているとは限らない。そもそもその全体状況が知られていないことが多いと
思われる。そこで、本稿は日本人の戦後ソ連抑留を主題とすることを予定しているのであるが、まずは第二次世界大戦における捕虜・被抑留者全体について言及しておかなければならない。
といっても、もとより筆者もこの問題の専門家ではなく、知りえていることは限られている。限られてはいるが、それでも意味はあると考える。
その前に、用語についてごく簡単に触れておきたい。








・・ アクセスカウンター