抑留問題資料|シベリア抑留問題についての日本政府への要請書
抑留問題資料/シベリア抑留問題についての日本政府への要請書
シベリア抑留問題についての日本政府への要請書 |< << >> >| |
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ロシア大統領エリツィン氏の訪日を機に、旧ソ連に不当に抑留され、強制労働を課せられた日本人にかかわる問題の解明と解決に新たな展開を期待していた私たちは、突然の訪日中止 に大きな失望を禁じ得ませんでした。とはいえ、次の訪日の機会を待つほど余裕のないこの問題の解明と解決のために、日本政府は、とりあえず次の5項目の実現にむけて、急遽とりくまれる よう要請いたします。
1 60万人とも65万人とも、あるいは70万人とも(厚生省援護局発表57万5千人、旧ソ連発表約65万人)いわれる旧ソ連に抑留された日本人の全名簿を入手し、公開すること。
2 前ソ連大統領ゴルバチョフ氏によってもたらされた抑留日本人の死亡名簿は4万人足らず、まだ発表されていない名簿に期待を寄せる遺族や縁者たちに応えるためにも、全死亡者名簿を 一日も早く入手し、公開すること。
3 遺骨収集への期待の大きなことは当然として、一千ヶ所以上ともいわれる旧ソ連地域に点在する日本人の全埋葬地を調査・整理し、保存しつつ、何時でも誰でも墓参できるよう対策を 講ずること。
4 抑留者問題に必要な資料をすみやかに、しかも丹念に収集し、整理し、公開すること。ここでいう資料とは、必ずしも旧ソ連が保存してきた「極秘資料」といわれるものばかりではなく、日 本政府が保存していると思われる資料はもちろん、アメリカ政府が保存していると思われる資料も含めてである。日本人のソ連抑留には、ソ連と日本と、当時のアメリカ政府が直接かかわって いたことは歴史の事実である以上、抑留問題解明には欠かせない資料である。
5 無念の声をのみながら抑留地でなくなった同胞6万人余の鎮魂と、再び、かかる体験を繰り返さないための平和の礎を象徴する『抑留記念碑』をハバロフスク市かナホトカ港に建立するこ と。
以上、人道と人間の尊厳を守る運動を進める立場に立つ私たちは、日本政府に対してすみやかな善処方を要請するものです。
厚生大臣 丹羽雄哉 殿 1993年2月8日 日本ユーラシア協会 会 長 藤田 勇 理事長 佐藤和子 抑留問題委員長 栗原 茂
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